台南榕樹日記

ficusmicrocarpaは榕樹(ガジュマル)の学術名。台湾の古都、台南にある榕樹がシンボルの大学での語学留学の日々の記録。

3月30日 慢慢來

春季コースがはじまって2週間がすぎた。時間割も決まって、生活のリズムがようやく整ってきた。冬季からひとつ上のC班クラスでは週に2回も「報告」といわれるプレゼンをしなくてはならない。これに集中できるように、選択授業は最低限にした。水木金は、午後からの必修クラスだけという時間割。それでも、予習、復習、小テストの準備、ときどき出される宿題もあって、うっかり気を抜いて忘れていると、昼休みにパソコンルームでおにぎりをかじりながら、あわててやらなくてはならなくなる。

最近分かったことは、語学は付け焼き刃がきかないということ。ひとりで何度も声に出してテキストを読むような地味なくり返しも実はとても意味がある。学生時代、付け焼き刃の勉強しかしてこなかった私もようやくこれに気づいた。

昨日ひとつ発見があった。fの発音だ。上の歯で下唇を噛み、吐き出した息の勢いで口を開きながら発音するものだと思っていた。めんどくさいので適当にごまかすことが多かったが、それは老師には通用せず、いちいち直されていた。唇噛むか噛まないかでそんなに違うかなと日本人は思ってしまうけど、違うらしいのだ。昨日分かったのは、唇は噛んだままでいいということだ。なんだ、けっこうラクじゃないか。これでfの発音がイヤじゃなくなった。「複雑」も「飛機」もドンと来いだ。

語学の進歩は階段状のような気がする。ちゃんと進歩してるかなと悶々とした日々がつづき、ある日ひとつ上の段にいることに気づく。そのくり返し。1年いてかなり話せる人が言っていた。「台灣人と深い話しができるようになるとおもしろいよ」。うーん、早くそうなりたい。

来週1週間まるまる授業がない。今日から来週の日曜までちょっとしたバケーションだ。明日から2泊3日で台東に行ってくる。初めての台東だ。この前の連休にも台東旅行を計画して、宿までおさえたのだけど、台灣鐵道の切符がとれず、断念した。連休前の東海岸への台鐡切符は「プラチナチケット」といわれ、発売開始時間と同時に予約しないと手に入れられない。開始時間をうっかり間違えていて、気づいたときには完売だった。来週の月曜から水曜は学校は休みだけど祝日ではないので、このチャンスは逃してはならないと計画したのだ。

台東は原住民の文化が色濃くて、「台灣で天国にいちばん近い」といわれるほど、自然が美しく、人々があたたかいそうだ。楽しみだ。

来週の金曜には、日帰りで台中にも遊びに行く予定。台中は2度目で、前に行けなかったZINEの専門店<本冊図書館>や第二市場、日本食品を扱う高級スーパー<裕毛屋>に行くのが楽しみ。

リフレッシュできて、モチベーションもあがるような休暇になるといいな。

タイトルの「慢慢來」は、先週クラスが終わったあと、担任のZ先生に言われた言葉。授業中睡魔と戦っていたので、「郁子、頑張ってるのね」と気づかって声をかけてくれたのだと思う。前夜飲みすぎただけなのだけどね。