2月2日 放暇開始了!
今日から台湾は9日間の正月休みに入った。暖かい正月だ。1週間前は外気との温度差で毎朝窓が曇り、このまま寒くなっていくのかとちょっと心配したけど、ピークを過ぎたのか、春のような陽気がつづいている。
大学では昨日、休み前の最後の授業中、音楽をかけながら事務室の職員たちが教室に入ってくるので、何事かと思うと、「新年快樂!」と言いいながら、今年の干支の豚の絵が描かれたポチ袋に入った「お年玉」を学生一人ひとりに手渡してくれた。ほんとアットホームでステキな学校だ。
夜は、Hさんと2人で忘年会。地元で人気の居酒屋に行ったら、なんと予約で満席。しかたなく、近くの小吃店で軽く食べたあと、市場でお惣菜、コンビニでビールを買って、私の寮の部屋で飲むことにした。
Hさんはかなりの音楽好き。私の趣味とかぶるところもある。キリンジ、ハナレグミ、スピッツ、中村一義、高田漣、畠山美由紀、アンサリー…。akeboshiについてなんて人と話すのは何年ぶりだろう。心ゆくまで音楽の話しができて満ち足りた気分になった。どんな暮らしがしたいか。ここ数年ずっと考えてきたことだけど、こんな満ち足りた時間をもてる暮らし、が一つの答えかもしれない。
台南に1年暮らしたHさんと、ほかにもいろいろ語り合う。
暮らすと見えてくることもある。
プライベートレッスンで、私が好きな映画について話しなさいという宿題が出された。私は「非情城市」を選び、一生懸命作文をして、レッスンにのぞんだ。30代の先生はこの映画を知っているけど、観たことはないという。台湾では長年語ることをタブーとされた228事件について描いた作品だ。映画の背景について、好きな理由など、作文を読みあげると、気のせいとすませられるほど、ほんのわずかだけど、空気が変わった気がした。文章の文法と発音を直されただけで、期待したように、先生の感想を聞くことはできなかった。デリケートな話題だったのかもしれない。
街の屋台や小吃店で買い物をするとよく「日本人か」と笑顔を向けられる。インド人が「インド人か」と笑顔を向けられることはないだろう。台湾人が日本人に特別な親しみをもってくれているのは疑いがない。うれしいし、ありがたいと思うのだけど、ちょっと切なく感じるようにもなった。日本が十分に答えているとは思えないからだ。
リアルな現実もふくめて、もっと台湾のことを知りたいと思う。歴史的なこともふくめて語り合えるような、深化した交流ができないかなと思う。ネガティブな感情を向けられるようなことがあっても、台湾のことをけっして嫌いになることはないと思う。震災のとき、あれだけの大きな温かい支援をしてもらった岩手県の、私は出身者だからだ。