台南榕樹日記

ficusmicrocarpaは榕樹(ガジュマル)の学術名。台湾の古都、台南にある榕樹がシンボルの大学での語学留学の日々の記録。

12月14日 學生生活開始了

今日も初夏の陽気の台南。午前中、学生登録手続きの前に、有名な榕樹を探しにキャンパスを歩いてみる。榕樹は至るところにあって、並木道の榕樹だって日本人からすると複雑な幹の絡まり具合なんかがずいぶん魅惑的なのだけど、「榕園」と名づけられた広場に出ると、そん真ん中に「あー、これのことか」とすぐに分かる大木があった。どう?この圧倒的な存在感。

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成功大学のシンボル

保護のために回りは柵で囲まれているけど、榕樹のまわりにはつねに人が集まっていて、愛され、拠りどころになっていることが分かった。私が学ぶ華語中心は、このすぐ近く。ここで学べることをうれしく思った。

午後はオリエンテーションとTea Party。南米や東南アジアの学生が多く、日本人率は高くない印象。中国語はまじめに勉強するつもりだけど、それ以外は独立系書店めぐりとか自分の時間に使うつもりだったから、友だちつくる気もなかったのだけど、こじんまりとした語学学校のせいか、職員も先生もとってもフレンドリー。学生たちも、日本人はもちろん、ベトナムやマレーシア、タイの学生とはすぐに打ち解けられそうな雰囲気。

加えて、私には入学前から、去年ここに留学した友人Fさんに紹介されメールですでにやりとりしていたHさんという、いろいろ相談できる人までいた。Hさんとは今日初対面。「及川さんと合いそう」とFさんが言うので、ちょっとマニアックなところもある人かと思っていたら、Hさんはなかなか洗練された気づかいのできる、キレイな人。こんなステキな人と「合いそう」だなんて、うれしい。

Partyのあとは、Hさんと同じ寮に住む岐阜出身の新入生の女の子Aさんと3人で、携帯ショップをまわったあと、Fさんとは「ご飯はいつもここだった」という、大学近くの路地にある台湾家庭料理の老友小吃へ。台南に来て初めての晩餐。ツウなFさんが太鼓判を押すのだから間違いないだろうと思っていたが、やはり。適当に頼んだメニューがどれも、食べたことない味なのに、絶妙に美味しいのだ。台南には地元の人しか行かないようなこんな路地に名店がある。通ったら、台南の美食の真髄にせまれそうだ。

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水餃子にはフェンネルが入っていた。茴香(ういきょう)という名の中国野菜だなんて知らなかった。

Hさんから今日も台南人のあったかさを感じる話しを聞いた。Hさんは一度道路で車に接触する事故にあったそうだ。その場所がたまにサンドイッチを買う車の移動販売のすぐそば。道路に倒れたHさんを見つけると、店のおばさんが「その人はうちの客だから」と駆けよって介抱してくれたそうだ。たまに買いに来る名前も知らない日本人に。なんなんだろう、台南人のこの無防備な人情。

帰り道、コインを拾った。1元と10元。2度も。コインはたしか幸運の象徴。これから3ヶ月、何かいいことありそうな予感を感じる夜だった。